【特集】深遠なるゲーミングデバイスの世界

【レビュー】温かみのあるサウンドはストリーマーやAMSRにもおすすめ!ノイズ除去機能搭載の配信用ダイナミックマイクElgato WAVE DX

仲間と協力してプレイするeスポーツタイトルや、ゲームを配信する上でかかせないのがマイク。オンライン会議が増えた昨今では、ビジネスシーンでも重要となってきているデバイスのひとつだ。

最近はUSBで簡単接続ができる高機能なものも増えてきた。本メディアでも紹介したElgato製「WAVE:1」や「WAVE:3」もその中のひとつ。そんなElgatoから、音質にこだわったダイナミックボーカルマイク「WAVE DX」がラインアップに追加。

既存のWAVEシリーズとどのような違いがあるのかを比較しつつ、レビューをしていこう。

音質にこだわりたいならWAVE DXに軍配が上がる



既存のWAVE:3との大きな違いはマイクの種類。WAVE:3がコンデンサーマイクなのに対し、WAVE DXはダイナミックマイクとなっている。細かい違いは省略するが、簡単に説明すれば集音範囲の違いが挙げられる。コンデンサーマイクは広範囲をカバーする全指向タイプが主流なのに対し、ダイナミックマイクは前方の狭い範囲をカバーする単一指向性が主流。

対面式の会話のような、より多くの環境音も収録したいならWAVE:3がおすすめだが、配信やWeb会議など、自分の声だけを高音質で収録したいならダイナミックマイクのWAVE DXがおすすめだ。

ただし接続方式には注意したい。WAVE:3はUSB接続できるので単体で使用可能なのに対し、WAVE DXはXLR接続なので別途オーディオインターフェイスが必須となる。単体の価格はWAVE DXの方が安価ではあるが、まだオーディオインターフェイスを持っていないとなると、別途そちらの費用もかかるという点に注意しよう。

▲YAMAHAのAG03といったライブストリーミングミキサーを既に持っているならばWAVE DX単体でもすぐに使えるが、そういった機材を持っていないのであれば、親和性の高くカスタマイズ性が高い「Wave XLR」を導入するのもアリ。参考価格は22,980円

スチール製ボディで耐久性はバッチリ


WAVE DXの外観は非常にシンプル。コロンとして丸みを帯びたデザインに、スチール製のボディは高級感がありずっしりとした重さがある。

▲集音部分は先端に集約されていて、内部にはナイロンファイバー製のポップガードが内蔵されている。破裂音のノイズが軽減される設計になっている

▲後方にXLR端子があるシンプルな構造

▲5/8インチマウント(3/8インチと1/4インチのふたつのねじアダプタ付き)があるためさまざまなアームに取り付け可能だ

前述したとおり、接続にはオーディオインターフェイスが必要になるため、PCとの接続は下記のようなパターンになる。別途XLRケーブルが必要になるので、そちらも併せて用意していこう。今回は同じElgato製のWAVE XLRを使った接続方法で試してみた。なお、WAVE XLRとPCは付属のUSBケーブルで接続する。


▲またスタンドは付属していないので、基本的にはアームで固定することになる。口元にマイクを運びやすいアームを選ぶのがおすすめだ

主役を邪魔しない温かみのあるクリアな音声


では実際コンデンサーマイクであるWAVE:3とダイナミックマイクであるWAVE DXの音声の違いはどのようなものなのか。実際に収録した音声を聞きながら比較していこう。


当然ながらマイクから離れた位置での収録は圧倒的にWAVE:3の方がおすすめ。一方で、マイクの近くで音声を収録する場合、単一指向性のWAVE DXに軍配が上がる。なんといっても余計なノイズがほとんど乗らないのがうれしいポイントだ。個人差はあるが、WAVE DXの方がやや柔らかみのある音声になっているようにも感じる。

小さな声で話したい時、またアーケードスティックやキーボードといった操作音や打鍵音が響くデバイスを使いながらの実況配信といった場面でも、声だけを配信に乗せることができるのは、WAVE DXならではの強みともいえる。

例えばキーボードの打鍵音を収録するといったAMSR的な収録でもWAVE DXが役立つ。特にこれから暑くなってくる季節になると、PCのファンの音やエアコンの動作音など、部屋の中にはさまざまなノイズが発生している。そういった環境音を拾うことなく、狙った音声だけを抽出できるのだ。

家族と暮らしているため、通話は小さな声で話したいといった時にもおすすめ。

WAVE LINKで音声チャンネルを制御!


これはWAVE DXというより、WAVE XLRの機能ともいえるが、WAVE XLRを経由してWAVE DXとPCを接続することで、専用ソフトWAVE LINKで音声を制御することができる。

▲WAVE XLRはWAVE:3の操作部分がそのまま大きくなって分割したようなイメージを持つとわかりやすい。大きなダイヤルはマイク、ボリューム、バランスを調整可能で、押し込みで操作を切り替えることができる

▲背面はタッチボタンになっていて、軽くふれるだけでマイクをミュートにすることができる。急な来客や電話など瞬時にマイクをオフにしたいときに便利だ

またWAVE LINKではアプリケーションやゲームタイトルごとにボリュームを管理することができ、モニター用、配信用でそれぞれボリュームを調整することができる。例えば自身は音楽を聴きながらゲームをしつつ、ゲーム音+マイク音声だけを配信にのせるといった使い方ができるのだ。

▲自身はDiscordで会話したりChromeでBGMを聴いたりしながらゲームをしつつ、ゲームの音と自身の声だけを配信にのせるといった使い分けが可能になる

また、WAVE LINKを介してWAVE XLRの設定も変更可能。入力レベルを確認しながら入力ゲインを調整したり、LEDのカラーを任意のカラーに変更したりできる。

▲入力ゲインやローカットフィルタといった設定も調整可能。より自分好みの音声に調整することができる

なお、48V ファンタム電源の項目は理由がない限りはチェックを入れておくことをおすすめする。安定した電力が供給されるだけでなく、チェックを外してしまうと大きく遅延が発生してしまうので気をつけよう。

大声を出しても安心! Clipguard

WAVE XLRには音割れを防ぐClipguard機能が搭載されている。WAVE LINK上でオンオフの切り替えが可能で、オンにすることで音割れを防ぐことができる。急に大音量で叫んでしても音割れすることなく、自動でボリュームを調整してくれる優れもの。

特に大声で叫んでしまいがちなストリーマーにはうれしい機能といえる。

また音声にエフェクトを追加することもできる。例えばまったく違う声色にしたり、ホールにいるようなリバーブをかけたりといった声の加工が簡単にできるようになるのだ。

▲WAVE LINK上で、オーディオエフェクトを追加することで、お好みのエフェクトを気軽にオンオフすることができる

Windowsならば非常に強力なノイズ除去フィルター「NVIDIA Broadcast Noise Removal by Elgato」も利用可能。エフェクトに関してはMacOSよりWindowsの方が充実しているようだ。

なお、オーディオエフェクトはVST規格のものであれば手動でインストールすることもできる。下記のリンクにはElgatoが推奨しているオーディオエフェクトが確認、ダウンロードできるのでそちらも併せて確認してほしい。

参考リンク(英語):
https://help.elgato.com/hc/en-us/articles/4410914582797-Wave-Link-VST-Plugins-How-to-Get-Started

また、そのほかの基本的な使い方についてはWAVE:3のレビューを参考にしてほしい。

参考:
【レビュー】こだわりのマイクでワンランク上のゲーミング環境を!ハイレゾ出力可能なElgato製コンデンサーマイク「WAVE:1/WAVE:3」

まとめ


単一指向性のダイナミックマイクといえばSHUREが人気ブランドではあるが、価格帯が非常に高いということもありなかなか手が出しにくい。Elgato WAVE DXならばお手頃価格で高品質なダイナミックマイクを体験できるので、これから配信をはじめたいという人や、ちょっとダイナミックマイクを試してみたいといったユーザーにおすすめ。

また今回紹介したWAVE XLRと接続することで、ミキサーソフトWAVE LINKでの制御が可能になり、さらにはStream Deckで音声チャンネルを管理するといった、Elgatoの他製品との親和性は非常に高い。すでにElgato製品を持っている人ならば、特におすすめのガジェットといえるだろう。

【eSports World編集部の評価】

操作性:★★★☆☆
機能性:★★★☆☆
耐久性:★★★★★
デザイン性:★★★★★
価格:★★★★★

総合評価:4.2

接続するだけで使用可能できるシンプルなダイナミックマイクという点。さらに低価格帯でこの音質なのはうれしいポイント。一方で、ゼロから環境を整えるとなると、別途XLRケーブルやオーディオインターフェイスが必要になるため、機能面が充実しているかというとそうとも言い切れない。

WAVE DXならではの温かみのあるサウンドは、自身はもちろん実際に音声を聞くユーザー側に恩恵がある。ワンランク上の配信環境を整えたい——AMSRに挑戦してみたいといった新たな挑戦をする際に導入してみてはいかがだろうか。



【WAVE DX 仕様】

カプセル:
ダイナミック

極性パターン:
カーディオイド

周波数応答:
50〜15000 Hz

感度:
2.5 mV/Pa、-52 dbV/Pa

インピーダンス:
600 Ohm

コネクタ:
3ピン XLR

サイズ:
53 x 53 x 146 mm

重量:
440 g

マウント:
5/8インチマウント(3/8インチと1/4インチの2つのねじアダプタ付き)

同梱物:
Wave DX、スイベル式マウント、3/8"および1/4"ねじアダプター、クイックスタートガイド



WAVE XLR 仕様

周波数:
20 Hz - 20 kHz

ダイナミックレンジ:
100 dB (Clipguard使用時 120 dB)

等価入力ノイズ (EIN):
-130 dBV @ 60 dB ゲイン

ゲインレンジ:
0 - 75 dB

ファンタム電源:
48 VDC、7mA

最大入力レベル:
10 V @ 0 dB ゲイン (Clipguard使用時)

最大出力レベル:
77 mW

解像度:
24ビット

サンプルレート:
48 / 96 kHz

インターフェース:
USB-C

同梱物:
Wave XLR、USB-C ケーブル (250cm)、クイックスタートガイド

Elgato公式:
https://www.elgato.com/ja

WAVE DX:
https://www.elgato.com/ja/wave-dx-dynamic-microphone

WAVE XLR:
https://www.elgato.com/ja/wave-xlr

Amazon WAVE DX:
https://www.amazon.co.jp/dp/B0B8GRCXB6

Amazon WAVE XLR:
https://www.amazon.co.jp/dp/B09738CKKX
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